診療科目
当院では総合内科専門医・循環器専門医の専門性を生かし、循環器から呼吸器まで含む内科全般について診療を行っております。特に心疾患につながる生活習慣病の改善を重視しており、病気の兆候を見逃さない治療に力を入れています。病名がはっきりせず、どこの病院に行けばよいのか、どこの科にかかればよいのか、お分かりにならない場合なども、当医院の専門分野ではない疾患であっても他の専門病院を紹介するなどの適切な対応をいたしますのでお気軽にご相談ください。
生活習慣病（糖尿病、高血圧、高脂血症など）、狭心症、心筋梗塞、慢性心不全、不整脈
気管支喘息、肺気腫
風邪・インフルエンザ、胃腸症状などの治療
市の健診、会社健診など各種健康診断、インフルエンザ、肺炎球菌、子宮頸癌などの予防接種
具体的な症例と診療方針例
代表的な生活習慣病である糖尿病、高血圧症、高脂血症（脂質異常症）の3つが重なる人では虚血性心疾患（狭心症、心筋梗塞）の発症率が高く、定期的に受診しなかった場合は4人に1人が発症するといわれています。そのため当院では生活習慣病の早期発見と改善に特に力を入れています。食事の献立の見直しを中心に、必要な場合はお薬も活用しながら治療を進めます。
糖尿病
「簡単に言うと、血液中に糖が増えすぎる病気が糖尿病です」
「原因は何なんですか？」
「筋肉や臓器に糖を送り込む“インスリン”というホルモンが足りなくなったり作られなくなったりして、血液中に糖があふれることで起こるんです」
「すると、どんな症状が？」
「代表的なのは異常にノドが乾くとか、おしっこの回数が多くなったり、体重減少が起こったり。でもね、多くの人の場合はほとんど無症状のまま病気が進行していくことが多いから注意が必要なんです。それに、毛細血管の末端に糖が目詰まりすることで、狭心症や心筋梗塞といった循環器疾患等いろんな合併症を引き起こすこともあります」
「じゃあ、早期発見が大切なんだ！」
「そう。だから健康診断などで病気の兆候が見つかったときはすぐに医師に相談したほうがいいんです」
「なるほど。でも、なかなか難しい病気みたいですね…」
「いえいえ、食事や運動等による血糖コントロールで合併症の発症や進行は十分阻止できるんですよ。医師と二人三脚でがんばれば大丈夫！」
高血圧
「高血圧のしくみは、血管をホース、血液を流れる水に例えるとよくわかりますよ」
「ふむふむ」
「若い人の血管は新品のゴムホース。歳をとると、古くて硬いホースになります。これが動脈硬化という症状で、血管の中が狭くなっています。つまりホースを指でつぶして水を飛ばしているようなもの。すると、血管や血液には高い圧力がかかりますよね。これが病気としての高血圧の状態なんです」
「そういうことなんだ！でも、高血圧のままだとどうしていけないんですか？」
「古くて硬いホースと同じく血管が破れやすいために脳出血などを起こしやすかったり、心臓疾患や腎不全などいろいろな病気の引き金になるんです」
「それは大変。では、どうすれば治るのでしょう？」
「まずは食事と運動を見直すことですね。その上でお薬を上手に使っていけば正常な血圧の管理はそんなに難しくはないですよ」
高脂血症
「高脂血症とは血液中の脂質（コレステロールや中性脂肪など）が異常に多い状態です」
「脂質って害になる成分なんでしょうか？」
「いえいえ、本来は身体にとって必要不可欠なんですが、とり過ぎがいけないんです。例えば悪玉コレステロールや中性脂肪といった脂質が増えすぎると血管の内側にゴミ化して溜り、動脈硬化から狭心症、心筋梗塞、脳梗塞等の循環器疾患を引き起こすこともあるんですよ」
「うわあ！怖いですね。どんな症状に気をつけたらいいんですか？」
「そこが問題で、高脂血症も糖尿病や高血圧と同じく自覚症状に乏しいんですね。気づかないうちに症状が悪化して動脈硬化が進行したりします」
「ではどうやって改善したらいいんでしょうか？」
「やはり生活習慣の病ですから、まずは食事と運動。特に食事に気をつけることが大事ですね」
狭心症
「これまでに説明した生活習慣病が原因でおこる病気で、動脈硬化で心臓を動かす血管の内側が狭くなり、運動などをした時に発作的に心臓に血液が流れにくい状態になるのが狭心症です。ちなみに完全につまって流れなくなるのが心筋梗塞という病気です」
「狭心症や心筋梗塞ではどんな症状が現れるんですか？」
「狭心症では突然に胸の痛み等の症状が現れて２～３分で、すーっと引くように痛みが消えていきます。痛み等の発作が20～30分以上続いたり一日に何度も繰り返すときは心筋梗塞や不安定狭心症の疑いがありますので緊急の処置が必要です。すぐに医療機関を受診してください」
「胸の痛みって心臓のせいかどうかわかりにくそうですね」
「そう。医師が問診すればすぐにわかるのですが、胃痛と間違ったり、歯の痛みや手のしびれとして症状があらわれることもあるので素人判断は要注意ですよ」
不整脈
「不整脈とは、脈拍が一定のテンポで整わない状態を言います。心臓は収縮と拡張を繰り返していますが、そのリズムが正常なテンポの範囲を超えて乱れ、遅くなったり速くなったりするわけです」
「不整脈はどんなところが健康上の問題なんですか？」
「実は健康な人でもたまに脈拍のテンポが乱れたり、しょっちゅう不整脈を起しながらでも大事に至らず生活してる人も多いんですよ。ただ、中には心不全や脳卒中といった大病につながる不整脈を持っている人がいるから油断できないんです」
「逆に用心が必要な症状なんですね」
「その通り。重い不整脈のときは症状としてはふらつき、めまい、失神などが出ることもあります。だからこそ、検査で的確に状態を知ることが第一なんです」
「それから治療方針が決定されるわけですね」
「はい。薬などを必要としない不整脈もありますので、まずは医師の検査を受けましょう」
気管支喘息
「気管支喘息というのは、気管支が長年のアレルギー反応による炎症でガチガチに硬くなった慢性の病です」
「苦しい症状が出るそうですね」
「そうですね、気管支がいろんな刺激に過敏に反応して、ゼイゼイと喉が鳴って息苦しくなり、痰やセキが出ます。季節的には秋口に多く、早朝に起こりやすいのも特徴です。喘息の人はカゼをひいたあとにセキが長引くこともよくありますね」
「治療はどうするのでしょう？」
「ステロイドの吸入薬を中心とした治療が主流になりますよ」
肺気腫
「タバコ病といわれるほど喫煙による発症が多い病気です」
「どんな症状が出るんですか？」
「体を動かすと呼吸困難になったり、ひどくなるとじっとしてても息苦しい症状が出たりするので、酸素吸入の処置が必要になります」
「でもタバコを吸う人は減ってますよね」
「ええ、ですからこれからは昔から喫煙歴があった高齢者の方に増えてくると考えられます。肺胞という酸素と二酸化炭素を交換する細胞が、喫煙と加齢のせいで伸縮性や弾力性を失っちゃうことで起きるんです。肺がゴムひもの伸びきってくたびれたパンツのように力を無くしちゃう感じでしょうか」
「よ、よくわかる例えです。治療はどんなことを？」
「今のところ、一度なるともとにはもどらない病気です。禁煙や進行を防ぐ処置が主になります。でも、何といっても予防が肝心ですよ」
