毎年忘れていますが、6月1日が近づくと思い出します。人生50年のうちの節目節目がこの6月1に集中しているのです。大学を卒業するまではこの記念日は私とは全く関係ないただの6月の初日でした。しかし社会人になるとそれが一変します。その後の自分の人生の節目でその日が何度も登場してくるのです。
以前の医師国家試験は4月の最初の週末にあり、合格発表が5月の中旬でした。ですからその間は医学士(医学部卒業しただけ)であり医師ではありません。国家試験に合格して厚労省の医籍に登録されないと医療行為は当然行えないのです。この医籍登録が6月の最初でした。ですから法律上医師としての認められた日が1988年6月1日なのです。それまでは働いていても医師ではなくお客さん扱いなのです。とはいっても決してお客さん扱いではなくぼろ雑巾扱いでしたが、法律上お客さん扱いという意味です。ですから我々の世代は6月1日が4月1日の新入社員の辞令交付日にあたるわけです。毎年この日から新しいスタートが始まるのです。「今年で医師になって26年目です」という風に経験年数を換算するわけです。そのため昔は転勤移動もこの時期に集中していました。なぜ過去形かといいますとこの20年で医療制度改革があり、医師国家試験も早まり4月1日には普通の社会人と同じように医籍登録され皆同じように入社式が行えるように変わったのです。現在の医師の転勤移動はほぼ4月に集中していて6月はありません。ですから4月換算か6月換算かの違いでその医師の年代がわかるわけです。そういった理由からその後の自分の社会の中での人生の節目も6月1日を中心に動いていったのです。
次の大きな節目は医局をやめて家業を継いだ日。つまりサラリーマン医師から自営医師に転職した記念日、それが医師になって10年後の1998年6月1日。そこから換算すると継承してからもう16年になり、17年目に突入です。ちなみに偶然は更に重なるのですが、先代の父がこの地で開業したのが1969年6月1日でした。そこまで年代をさかのぼると今年で45年です。あと5年先には半世紀になります。過去から受け継がれていく歴史を考えればとても重みを感じざるを得ません。5年先の2019年は開院50周年にあたりますが、半世紀を経て2度目の東京オリンピックを迎えるのと同じように嬉しい限りです。その時のために今の自分は何をすべきかという質問を自分自身に投げかけています。毎年6月1日という日は今までもそしてこれからも自分がどうやって生きていくべきかを思い悩む一里塚にあたる日なのです。だから毎年この日を迎えるにあたって自分にとって新年に誓いを立てる日と同じ意味合いの日なのです。
さて来年の今日は何をしているのでしょうか?今からこのブログを書きながらこれから1年起こり得ることを想定します。想定しても想定外の事が多くなかなか事はうまく運ばないのですが、マイアナログ手帳に予定を書き込みいろいろと思いを巡らせながら日々精進をしていかなければなりません。