シミラン諸島を旅して その2

シミラン諸島ダイビング1前回はシミラン諸島ダイビング旅行のあらすじや参加目的などをお話しました。今回はダイビングについて語りましょう。通常ダイビングは1回の潜水時間がおよそ40分から50分で水深は30mまでです。といっても30mにずっといたらものの15分でアウトです。ですから平均すれば水深は10mから20mを中心にダイビングします。サンゴや熱帯魚などの主要な生き物は光の当たるところに食べ物が豊富にあるわけですからそこに皆集まってくるわけです。そんな水の中だけでしか生きることができない生物の縄張りに人間がわざわざ空気タンクを背負って潜水をしていくわけです。釣りで釣られる魚も海の中では我が物顔で悠々自適です。ですから人間が近づいてもよほど近づかない限り逃げません。むしろ人間の方がバタバタもがくように泳いでせこく見えてきます。私たちは海のなかでは完全に脇役なのです。

シミラン諸島ダイビング21本、2本とダイビングを重ねていきますが、初日は前日の旅の疲れなどが混じってあまり体調もよくなく適当に流す程度のダイビングでしたのであまり記憶に残っていません。撮影した魚の被写体をみると「ああ、あの時ね」と思い出す程度です。ゆっくりとした元旦の1日が流れていきます。今回のクルーズは3日間とも快晴で天気にはとっても恵まれました。夜は前回お話したように人生経験を語る会です。疲れも残り眠くなりますが、夜のひとときは潮の流れと同じようにゆっくりと流れます。2日目のダイビング。これがメインです。このシミラン諸島は乾季つまり11月から5月までしか行けず、国立公園で宿泊施設がないためほぼ今回のように船の旅でしか満喫はできません。そして特に本日ダイビングするポイントこそがよくテレビでも紹介されるジンベイザメやマンタなどの大物からマクロの小物まで多種多様に見ることができます。個人的には大物が鑑賞できるにこしたことはありませんが、是非にでも観たいというわけでもなく記憶に残るマッタリダイビングならそれでいいわけです。今回のポイントはタチャイ島といって更にクルーズでもレアな場所にあり、そこにはバラクーダ(オニカマスの一種)、これは写真に撮れましたが、もうひとつはアジの仲間でロウニンアジという1m級の魚がメインでした。その悠々と泳ぐ姿はテレビでしか見たことない私にとっては目に焼き付くほどの感激ものでした。

多分この一瞬の脳へのスナップショットは一生忘れることのできない引き出しにしまうことができたと確信しました。そしていつの日かまたその魚をどこかの海で見た瞬間に今回の50歳目前の一人旅の記憶が一気にタイムスリップして蘇るように記憶の引き出しから引っ張り出せるはずです。その時がいつやって来るのかは神様ですらわかりませんが、必ずやその日がやって来ることを信じて自分は前を向いて歩いていこうと思っています。そしてそのタイムフラッシュで振りかえった時に「あの時は・・・・」と言っている自分を想像すると今からとても楽しみです。「これから何をしようか」という今回の最大の目的である「今後30年の目標」は徐々に自分の中で形として見えるようになってくるはずです。それでは次回が最終章で一人旅の総括と50歳になった抱負を交えて完結編です。

2014012002

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