北京五輪が終了して1週間が経過しましたが、フィギアは後味の悪い結末でした。金メダルを獲った選手を含め競技に参加した全選手の4年間の尊い努力があるからこそ、今回のワリエワ選手のドーピング問題について「またロシアか」という思いで一杯です。ロシアは今度こそはっきりとドーピング問題と決別しなければなりません。
それでは今回のいきさつを簡単に振り返ってみますが、多くの分岐点で判断の過ちがあったように思えてなりません。第一に今回の五輪にロシアは国を挙げて取り組んだドーピングにより国家としての参加を認められずに厳しい規定をクリアしたROCという団体で参加しています。今回はよりにもよって五輪期間中にその疑惑の団体から昨年12月に提出した検体からワリエワ選手のドーピングが発覚しました。「なぜ発表が五輪期間中なのか?」「ROCはドーピング撲滅に貢献せずに再び国家を挙げて組織ぐるみの隠蔽か?」など疑問を挙げればきりがありません。そして公平であるべきスポーツ裁判所が「16歳未満の参加選手は事実上のおとがめなし」と裁定を下したものですから更に今回の混乱に拍車をかけました。「証拠は黒でありながら参加はできる」という玉虫色の決着を図ったおかげで最終的に傷ついてしまうのは選手にほかなりません。そしてワリエワ選手がどの場面かで自ら棄権するという選択肢もあったかもしれませんが、周囲の悪い大人たちによってその選択肢はもみ消されたのでしょう。一度はROCも資格停止にした事実はありますが、直後に選手側から提訴されて解除となったのも大人の勝手な都合のように思えてなりません。全ては15歳の少女の仕業ではなく、周囲の悪い大人たちの仕業にほかなりません。一方で選手個人としてはずっと続けてきた努力の証として金メダルも獲りたいでしょう。その微妙な関係を利用した周囲の大人たちの悪だくみだと個人的には思います。そして問題が発覚してヤバくなったら切るという世界でしょうか?ワリエワ選手自身はドーピングで黒と出たので一選手として責任の取り方はあるはずです。一方で最終滑走までのワリエワ選手へのバッシングも仕方のないことですが、16歳未満の未成年に対してスポーツ裁判所は適切な注文を付けても良かったのではないかと思います。参加選手団の一部はワリエワ選手の滑走時に抗議の意味を込めて一斉に退席したとのニュースもありました。もう少し周囲の大人たちも一選手としてドーピングを許せない気持ちはわかりますが、それこそ未成年の保護対象である選手本人の気持ちも汲んであげられないのかと相反した気持ちにもなりました。
いずれにせよ結果は暫定4位となりメダルは逃して、更に大きな代償をワリエワ選手は支払うことになりました。ドーピング結果からすれば当然ですが、まだまだ若い将来のある選手ですので、ワリエワ選手が周囲の黒まみれの大人たちから逃れて自分の責任をきちっと果たして将来再びリンクに戻ってきてほしいと願っています。一方で今回の非をロシアが認めるかどうかはウクライナ問題も含めて甚だ疑問です。
検査で陽性反応が出ても「直ぐにドーピング違反とはならない」とアンチ・ドーピング規定にあり「アンチ・ドーピング規律パネル」による聴聞会で決定されるとされています。国によっては多少の違いはあるかもしれませんが、ワリエワ選手のドーピングが確定したという報道を見た覚えがありません。ドーピングは許されるものではありませんし擁護するつもりもありませんが、もし確定した記事があれば教えていただけないでしょうか?ドーピングが確定していない以上、被疑者かもしれませんが受刑者ではないと思いますので…