毎年12月の中旬に清水寺で今年の漢字が発表され年末の風物詩になっています。最近ではテレビなどの色々な場面でマイ漢字を発表する機会が増えて今週のマイ漢字など期間限定の場合もあります。個人的にも年末に「今年はどんな年だったか?」を一言で表すためにしばし考える事がよくあります。そしてその「今年の一文字」は過ぎ去りし1年の総括が主な目的です。それならば年始にこの1年で達成したい今年の計画や目標を一言で表現する「マイ漢字」を決めてそれに沿うように努力するのもいいのではないかと昨年末に思いました。今年の抱負ならぬ「今年の一文字」です。文章を並べて書くような今年の抱負ならいくらでも書けるのですが、一文字で表現するとなるとなかなか難しいものです。
まずは思いつくままに漢字を並べてみます。漢字二文字や四文字熟語ならかなり自分の心境と対峙すれば自ずと閃いてきますが、一文字となると簡単にはいきません。誰にでもその漢字の意味と個人の気持ちが予想できる「勝」や「終」などなら何を考えているかすぐにピンときますが、なかなか推測不可能な漢字も多くあります。自分の中でしたためて公表しないのならそれで全く問題ありません。しかし毛筆を使用して書初めのようにするならば人の目にも触れるためそれなりの漢字をチョイスしなければならなくなります。そうすると「今年はどんな年にしたいのか?」または「どんな年になってほしいのか?」などとどんどん頭の中で思いが過ぎっては消えていきます。そうこうしながら正月のゆっくりとした時間が流れていきます。また暖房の効いたほろ酔い気分の中であれこれと考えていますのでそのままウトウトしてしまいます。それはそれで楽しくもありリラクゼーションでもあります。
また寝転びながら昨年に購入しておいたマイ手帳を開きながら今年1年の長期予定も考え始めます。自分の仕事は二の次で子供たちの夏休みなどの長期休暇は「何をしようか?」とか「どこに行こうか?」などと考え始めます。以前なら「どこに遊びに行こうか?」でしたが、コロナ禍になってからは「戻って来れるのだろうか?」という素朴な疑問に変わりました。そんなことを考え始めるともう頭の中は「あっちに行ったりこっちに来たり」で収拾がつかなくなり、「今年のマイ漢字」どころではありません。結局、「今、何をしてたっけ?」ということになってしまいます。「そうそう、今年の目標を漢字一文字で表すのだった」と振り出しに戻ってしまいます。そんな中で時間だけが過ぎて子供たちも出発して、またいつものように我々二人だけのいつもの生活に戻って賑やかだった子供部屋はガランとしています。
正月のゆっくりと流れる時間の中だけでは今年のマイ漢字は決めることができませんでした。候補はいくつかに絞れたのですが、一文字に決め切れずに正月3が日は終わってしまいました。分かりやすい一文字として「勝」も候補ですが、もう少し走り続けながら今年のマイ漢字を一文字に絞りたいと思っています。