新型コロナPCR検査外来

先日、周南圏域での病院や行政機関や保健所の新型コロナ対策会議でPCR検査外来設置についての説明や意見交換がありました。本当ならこの6月で私は2年の医師会理事を退く予定でしたが、何の因果かもう2年延長になりましたのでこの会議に参加している次第です。東京など大都市圏では新型コロナ感染が蔓延していますので既に医師会主催のPCRセンターがフル稼働しています。一方で地方ではまだそこまでは蔓延していませんが、現在の東京の状況が2か月後の地方の姿を反映していますので、できる限り早く検査体制を軌道に乗せなければなりません。そのような背景もありこのような会議がしばしば開催されるのです。

今では患者さん自身の症状がありまた渡航歴や接触者に関して不安がある場合に保健所に電話して相談して保健所で疑いが強いと判断されれば検査外来に紹介するという唯一のルートしかありませんでした。よって3月から4月にかけて保健所の電話はパンク状態でした。それは以前から保健所の統廃合や医療機関の統廃合を進めようとしてきた国の政策の失敗です。半年前までは山口県でも統廃合すると勝手に厚労省が決めてリスト公表して現場は混乱しました。図らずとも新型コロナのおかげで行政の一方的な統廃合計画は頓挫して10年以上は話題に出なくなるでしょう。そのような人員不足の保健所に各医療機関からも疑わしい患者さんを問い合わせるのですから大混乱は目に見えています。案の定、一般市民からも医療機関からもトラブル発生します。保健所のスタッフが悪いわけではなく国を含めた行政という組織自体が悪いのですが、保健所の末端の保健師が苦労させられるわけです。それがわかっていてもこちらも引くに引けない状況もあり、電話で喧嘩腰の口論になることも実際ありました。そしてメディアはそれを検査拒否と深読みせずに垂れ流します。そこはメディアもまた悪い。そのような状況下で一旦新型コロナが落ち着いた6月に早く次に備えての会議が始まったのがこの対策会議ですが、もう8月になりました。

ではこのPCR検査外来とは一体どのような仕組みかと言いますと既存の行政主体の保健所から帰国者接触者外来紹介のPCR検査は従来通り残しつつ、我々末端の医療従事者が必要だと判断したら保健所を通さずに自らの手で検査できるという仕組みです。しかしそのためには検査外来の場所やスタッフが必要になります。それはそれでまた医療関係者の献身的貢献によるものが大きくなります。それに関して反対する気は毛頭ありませんが、結局また手を挙げた者や手を挙げさせられた者に負担が集中する仕組みになるのです。それは出席者全員がわかっていますが、会議の場ではお互いの利害なども交錯してその場で決まることはなく自分の所属に持ち帰って相談するということで会議が終了となります。国会でも地方議会でもこのような民間の対策会議でもその擦り合わせがうまくいくかによってそのスピード感は変わってきます。結局は対策会議の出席者通しがどれだけお互いを理解して人間関係ができているかによる根回しが必要となるのはどの世界でも同じです。

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新型コロナPCR検査外来 への1件のフィードバック

  1. 西川直子 のコメント:

    おはようございます。コロナに対するコメントではありませんが、初回から読み始めて、ようやく追いつきました。産業道路の看板の不思議な物体が何なのかも、ブログを追いかけて、納得しました。
    ブログを読むという行為が初めてなので、実は初回にコメント入れたのですが、見る訳無いなと(笑)この盆休み中に読み進めて、リアルタイムでコメントすることができた次第です。
    今後も楽しみに読ませていただきますね。

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