トランプ大統領が初来日しました。大統領就任以来、良くも悪くもいろいろな場面で登場してきます。世界に最も影響を与える人物として過去にはプーチン大統領があがっていましたが、現在ではトランプ大統領の方が上手かもしれません。我々はメディアからの情報しかありませんのでそれを基にして人物像を頭の中に描きます。ですから悪い噂ばかり流せば会って話もしてないのに「あの人は悪い人に違いない」という印象操作がなされ先入観が刷り込まれます。実際に会うと全然違っていたということは世の中ではよく経験されます。しかし昨年からの選挙戦を通じて同じ共和党からもかなり批判を浴びましたが、したたかに勝ち上がっていきました。そして流石に民主党のクリントン氏には負けるであろうと予想されていましたが、見事に覆して大統領になってしまいました。当選当初は本人が一番驚いたかもしれません。その後の報道によればロシアと結託して選挙妨害やサイバー攻撃をしていた可能性が最近になって発覚しました。勿論、それもトランプ流に言えば「フェイク即ちでっち上げ」となりますが、事実か否かは闇の中です。FBIが大統領の意に反してかなり頑張らなければ証明できませんが、その前に大統領のお得意の決め台詞で「解任」されてしまいました。その他にも移民規制やTPP離脱やパリ協定の脱退と自国がよければ何でもありの政策です。現時点までに日本にとって良かったことは日米安保の踏襲による北朝鮮への圧力と拉致問題への言及くらいでしょうか。
書き出せばきりがないので話題を少し変えましょう。ではオバマ前大統領やブッシュ元大統領と決定的に違う点は何でしょうか。多分、商売人か否かの違いが根底にあるように思えてなりません。国家間の貿易不均衡是正にはポリシーだけでは上手くいかないことも多く商売上手な国家が得をしますが、それだけでは正常な国家関係は成立しません。ある時は貧乏くじをひいてでも未来の国家像を描くことも大切だと思います。当時のブッシュ政権のイラク派兵やオバマ政権の中朝政策の失敗はありましたが、まだ彼らには一貫したポリシーがありました。当時のメディアは彼らを相当に批判しましたが、トランプ大統領になって初めて前・元大統領の一貫性が見えてきました。もう少し時が経てば大統領らしくなるかもしれませんが、就任1年目のトランプ大統領にはそれが見えてきません。時間の経過とともに米国が孤立していくように見えて仕方ありません。
日本でも旧体質の古い考えの政党に嫌気がさして新しい党に変えたのがおよそ10年前でやはり「こりゃダメだ!」と元に戻しておよそ5年。もう少しデビュー戦をうまく飾ればまだ復活の可能性があったかもしれませんが、いつの間にか分裂してわけがわからなくなってしまいました。結局、餅屋は餅屋で新参者が新しい世界に飛び込んで早期に適応して結果を出すことは非常に難しいことなのでしょう。トランプ大統領もビジネスでは素晴らしい功績を残しましたが、今後の変身?変心?で政治でも功績を残してほしいと望んでいます。今回のゴルフ外交を含む日米首脳会談で蜜月関係の成果を期待したいものです。