今年の日本循環器学会は金沢でありました。金沢は北陸新幹線が開通して首都圏からは日帰りコースとなりましたが、近畿圏経由の我々はまだまだ陸の孤島に近い場所です。山陽新幹線の恩恵を40年前から享受している我々からすれば長崎と並んで一番行きにくい場所でした。新幹線から特急に乗り継ぎおよそ5時間かかります。東京やそれ以遠では飛行機を利用する我々にとって飛行機では中途半端ですが、新幹線も乗り入れてない場所ですからなかなか日帰りは困難です。その気になれば現地滞在数時間ならば日帰りも可能ですがそれでは時間もお金も無駄です。というわけで今回は現実逃避の1泊旅行とあいなったわけです。しかし1万人以上の会員が集まるため宿泊施設も事前に予約できずに学会の斡旋でようやく決定です。金沢には15年前に一度父と弟と一緒に2泊3日で加賀温泉と和倉温泉の加賀屋に泊まって以来です。その前はというと高校の修学旅行で兼六園に行きましたので今回が3回目になります。前日の土曜午後に仕事を終えて新幹線に乗って京都で特急サンダーバードに乗り換えて到着した時には日が暮れかけていました。その日の夜は大学時代のバレー部で一緒に過ごした友人が地元で開業しているために事前に連絡しておきましたので久々の再会です。地元民の地の利を生かして美味しい酒と食べ物を堪能させていただきました。やはり日本海に面しているだけあってかつて過ごした出雲と同じで海の幸は豊富です。ただ北陸の中心都市ですので都会的な華やかさも兼ね備えていながらも城下町としての古き風情も残して微妙にバランスのとれた素晴らしい町でした。京都から新幹線が開通すれば鹿児島同様に我々の地域からの陸の孤島というイメージを払拭するのはまちがいないでしょう。しかし開通にはまだまだ時間を要するため私が元気なうちに金沢に日帰り旅行ができるようになればよいのですが先の事はわかりません。
本題の学会出席は無難にこなして隙間時間をみつけて40年ぶりに兼六園に行きました。前回15年前は金沢を素通りしましたので今回は高校の修学旅行以来となります。大昔の修学旅行の記憶は99%抜け落ちています。なんとなく記念写真を撮ったくらいしか覚えていません。記憶を辿ろうにもその記憶がないわけですから初めて見るものばかりです。周囲を見渡すとネクタイ姿の観光にはほど遠い同業者が園内を散策しています。春分の日の書入れ時の3連休の市内の宿を学会関係者がほぼ埋め尽くしていましたので兼六園でもしかりです。北陸新幹線が開通していなかったらこのような光景にはお目にかかることはありませんでした。なぜなら過去に1万人を超える規模の学会は収容人数の関係で北陸地方では開催できずに京都や大阪で代替開催をされていたからです。この規模の学会は広島でも不可能でこのあたりでは福岡の国際会議場しかできません。北陸新幹線開通による今回の金沢開催は北陸地方にとって大きな前進といっても過言ではありません。そんなことを考えながら散策をしてまた明日から英気を養わせていただきました。疲れも残りながら、明日の心配をしましたが、今回は連休2日目で明日はゆっくり静養です。